熱性けいれん、
突発性発疹症、
マイコプラズマ感染症、
RSウイルス、手足口病、
ヘルパンギーナ、プール熱

熱性けいれん

熱性けいれんお子さんで注意が必要な症状の1つに“けいれん(ひきつけ)”があります。特に多いのが熱性けいれんで、高熱が出て白目をむく、全身が突っ張る、手足を震わせるなどの症状が起こります。

【症状・予兆】

  • 38℃以上の高熱が出る
  • 白目をむく
  • 全身が突っ張る
  • 歯を食いしばって息を止める
  • 顔、唇の色が悪くなる
  • 手足をガクンガクンと震わせる

など

【対応方法】
落ち着いて観察・受診

お子さんがけいれん(ひきつけ)を起こすとパニックなってしまうものですが、落ち着いて症状を観察してください。ほとんどが数分で自然と止まります。携帯を持って、時間を確認してください(余裕があれば動画を撮影してください)。
けいれん(ひきつけ)が2~3分以上続くようなら、ためらわずに救急車を呼んでください。また、けいれん(ひきつけ)が治まっても「呼びかけても反応しない」「再びけいれん(ひきつけ)をした」という場合にも救急車を呼ぶようにしてください。

後遺症はある?

熱性けいれんは、成長するにつれて起こらなくなり、6歳ごろまでにはほとんどなくなります。後遺症についてですが、30分以上続くようなけいれん(ひきつけ)は注意が必要ですが、ほとんどの場合、発達への影響はないと考えられています。

突発性発疹症

突発性発疹症突発性発疹症とは、突然38℃以上の高熱と、熱が下がる頃に発疹(ほっしん)が起こることが特徴的な感染症です。
ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)またはヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)に感染することで起こり、生後6か月から2歳頃に発症します。身体の小さな乳幼児の生まれて初めての発熱であることが多く、熱性けいれんを起こす可能性があります。

症状

  • 38℃以上の高熱(初めての発熱であることが多い)
  • 高熱が3日程度続いた後、熱が下がる
  • 熱が下がる頃に全身に淡い発疹がでる
  • 機嫌が悪くない(哺乳、食欲にあまり変化がない)
  • 発疹が出る頃に機嫌が悪くなる
  • 下痢

など

このように突発性発疹症の症状は幅広いですが、多くの場合、高熱と発疹のみとなります。

原因

突発性発疹症の原因は、“ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)”または“ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)”の感染です。多くの場合、お母さん・お父さんなどまわりの大人の方の唾液から感染します。

治療方法

突発性発疹症の原因であるヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)・ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)への特効薬はないため、症状を和らげる治療が中心となります。
高熱が出ている場合には解熱剤を使用します。

マイコプラズマ感染症

マイコプラズマ・ニューモニエという細菌に感染することで起こる感染症の1つです。マイコプラズマ・ニューモニエは、肺炎、気管支炎などを引き起こします。
3~5%の子どもで肺炎を発症することがあり、乳児よりも園児や小学校低学年の肺炎発症が多いことが特徴です。

症状

  • 発熱
  • 喉の痛み
  • 頭痛
  • 体のだるさ
  • 吐き気・嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛

など

マイコプラズマ感染症の多くは軽症で、風邪と区別がつかないこと多いです。

原因(感染経路)

マイコプラズマ感染症は“マイコプラズマ・ニューモニエ”という細菌に感染することで起こります。主な感染経路は飛沫感染や接触感染で、家庭内または学校内で感染するケースが多いです。

治療方法

基本的にマイコプラズマ感染症は自然に治る病気ですが、迅速検査で診断が可能であり、診断に至れば、適切な抗菌薬を内服して重症化を防げます。

RSウイルス

RSウイルスRSウイルスに感染することで起こる感染症で、2歳までにほぼすべてのお子さんが1回は感染すると言われています。基礎疾患(先天性心疾患、ダウン症候群、早産など)があるお子さんは重症化する可能性があり、流行時期は毎月シナジスという予防接種を行います。
当クリニックでも紹介状をご持参くだされば接種可能ですのでご相談ください。

症状

  • 発熱
  • 鼻水が出る
  • 咳が出る
  • 喘鳴(呼吸をすると「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」と音がする)
  • 呼吸困難

乳幼期の早期にRSウイルスへ感染すると、細気管支や肺炎などを引き起こす場合があるので注意が必要です。

原因(感染経路)

RSウイルスの感染が原因で、主な感染経路は飛沫感染や感染者への濃厚接触、RSウイルスが付いている物に触わる(間接的な接触)などです。

治療方法

RSウイルスへの効果的なお薬はないため、症状を和らげる治療が中心となります。熱や鼻水、咳など現れている症状に対して適切な治療を行います。ときに喘息と同様の症状をきたすことがあり、頻回の吸入治療などを要することがあります。

手足口病

手足口病手足口病とは、手のひらや足のうら、口の中、お尻などに赤いブツブツができる感染症です。1~5歳くらいの幼児で発症することが多く、主に夏場に流行します。

症状

  • 手のひら、足の裏などに赤いブツブツや水ぶくれのような発疹が出る
  • よだれが多くなる
  • 口内炎
  • 発熱

など

原因

手足口病はコクサッキーウイルスA6・A16、エンテロウイルス71(EV71)などに感染することで起こり、主な感染経路は飛沫感染、接触感染、糞口感染(便中に含まれるウイルスが口に入って感染すること)です。乳幼児に起こりやすく、保育園や幼稚園などに通い、集団生活の中で濃厚接触が生じやすい環境にあるお子さんは特に注意が必要です。

治療方法

特効薬はありません。発熱でしんどいところに、さらに口の中に口内炎ができるために、食事、水分摂取が少なくなります。口の中の痛みが強い場合は、常温でなるべく刺激のすくない水分、食事をあげるようにしましょう。

いつから登園・
登校できる?

熱がなく、食欲もあって元気な場合は、ブツブツが残っていても登園・登校してもかまいません。登園・登校許可書が必要であれば記載いたします。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナ乳幼児がかかる夏風邪の一種で、38~40℃の高熱が2~3日続いたり、お口の中に小さなみずぶくれをともなう発疹(ほっしん)ができたりします。

症状

  • 38~40℃の高熱が2~3日続く
  • よだれが多くなる
  • 口の中に小さな水ぶくれをともなう発疹ができる
  • 口内炎

原因(感染経路)

ヘルパンギーナの主な原因は“コクサッキーウイルスA群”の感染で、何度も感染することも珍しくありません。
主な感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染(便中に含まれるウイルスが口に入って感染すること)です。

治療方法

ヘルパンギーナの主な原因はウイルス感染ですので、これに対する効果的なお薬はありません。そのため、高熱などの症状を和らげるために解熱剤を使用したりするなど、症状改善のための治療が中心となります。

いつから登園・
登校できる?

熱が下がり、お口の痛みがなくなって食欲・元気が戻れば、登園・登校してもかまいません。登園・登校許可書が必要であれば記載いたします。

プール熱

プール熱プール熱は咽頭結膜熱とも呼ばれ、アデノウイルスに感染することで起こる感染症です。急な発熱、喉の痛み、目の充血などの症状が起こり、感染力が強いので簡単にまわりへ感染が広がってしまうのが特徴です。

症状

  • 喉の痛み
  • 目の充血
  • 目やにが出る
  • 下痢

など

原因(感染経路)

プール熱の原因はアデノウイルスの感染で、学校などでプール開きが始める6月ごろから流行し始めます。

治療方法

プール熱に対する効果的な治療法はないため、発熱に対して解熱剤、目の充血に対して目薬を使うなどして、症状を和らげることが治療の中心となります。

予防・対策方法

プール熱は感染力が強いため、症状が治まるまでは登園・登校できません。
ご家庭内で感染を広げないためにも、お子さんがプール熱にかかった時は、小まめな手洗い・うがい、タオルの共用を禁止するなどして予防するようにしましょう。

いつから登園・
登校できる?

症状がなくなった後、2日を経過するまで登園・登校はできません。登園・登校許可証が必要であればおっしゃってください。

救急受診の目安

救急受診の目安として、こちらのサイトもご参考にしてください。

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